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SCC(Student Community College)は、東北大学を拠点とした生涯学習プラットフォーム構築の中心的担い手として、2024年4月に立ち上げた学生主体のコミュニティです。SCCに参加している生徒・学生はSCC(Student Community Coordinator)と呼ばれ、現在は東北大学生が中心となって活動をしています。2025年4月からは高校生もメンバーとして活動を始めています。
SCCのミッションは、DEI(Diversity, Equity and Inclusion)社会の実現を目指し、東北大学内外の多様な学習者を包摂する生涯学習プラットフォームおよび学習環境の構築を通じて、大学を社会に開き、市民および学生の主体的・創発的・協同的な学びを支援することです。
SCCでは「関係づくり」を中核に置いた次の3つの「つくり」を大切にしています。
1つ目は「場づくり」。
世代や肩書きにとらわれず、多様な学習主体や集団が緩やかにつながり合い、認め合い、情報や価値を共有できる環境づくりをめざします。そのために、人々の学習ネットワークの形成および強化とナレッジ・マネジメント(知識の共有・活用・創造)を可能にする場をデザインし、コーディネートします。
2つ目は「人づくり」。
SCCの活動に関わる人々とSCC自身が、自分たちの生活と未来にとって意味のある「協働プロジェクト」に挑戦します。認識(考え方)や意識のようなメンタルモデルを変えるだけではなく、実際に現実そのものを作り変えていき、自分たち自身で自分たちを教育していこうとする、自己変容と社会変革を連関させた「自治としての主体性(エージェンシー)」を促します。
3つ目は「動機づくり」。
SCCは、社会を支配している様々なかたちの権力(社会的常識、ステレオタイプ的な価値観、市場経済原理で動く世界のルールなど)と真正面から向き合います。利潤動機や競争原理で成立している人々の関係性や学習の仕組みを鋭く疑い、集団的連帯の原理を働かせることにより自分が自分らしくいられる状況を創り出し、人々が学ぶことの愉(たの)しさを実感できるようにしたいと私たちは考えています。このような「新しい社会構造=資本主義のオルタナティブ」を探求していく中で、人と人との関係性や個々の学習観の(再)形成をめざしています。
私たちは1人1人が自律的であることを相互に承認し合っていると同時に、他者と支え合い、学び合い、高め合っていく共生的な存在(コンヴィヴィアリティ)でもあります。参加者全員がイベントの創り手になるという点において、みんなのセミナー(サマセミ型の学び)はコンヴィヴィアリティ豊かなプラットフォームだといえるでしょう。センセイは自身の授業だけを担当して帰るのではなく、セイトとして他の授業にも参加し教室を盛り上げます。ボランティアは運営から指示を受けて動くのではなく、主体的で協働的な判断が尊重されます。セイトはセンセイから一方的に知識を受け取るだけではなく、他のセイトやセンセイと積極的にコミュニケーションをとり、触発を楽しみます。自分も相手も自分らしく学ぶための空間はDEI(Diversity, Equity and Inclusion)という基準によって保障されます。
こうして、3つの「つくり」は「関係づくり」につながり、またそれぞれは「関係づくり」が土台となって成立します。みんなのセミナーを基盤とした生涯学習プラットフォームにはポストコロナ時代の学び方と働き方を相即的かつ根本的に変化させる大きな可能性があると信じて、皆さんもこのプラットフォームに参画してみませんか?未来に対して希望が持てるように、私たちと一緒に学びのかたちを変えていきましょう!
SCC顧問 西塚 孝平(東北大学大学院教育学研究科 講師)